第8回:紙の書類を一瞬でデジタル化。スキャンデータから文字抽出して文章生成

これまでの連載では、文章作成やアイデア出し、お知らせのデザインなど、デジタルアシスタント(AI)を活用した様々な業務改善についてお伝えしてきました。今回は、福祉の現場にまだまだ根強く残る「紙の書類」にまつわるお悩みを見事に解決する、一歩進んだAIの活用法をご紹介します。


障害福祉の現場では、取引先からのfax、家族からの連絡ノート、研修でもらった分厚い資料など、毎日たくさんの「紙」を扱いますよね。

紙をスキャンしてデータ化(PDF化)すること自体は、今の時代すでにスタンダードになっています。しかし、「スキャンした大量のデータの中から、必要な部分だけを抜き出してまとめる」という作業に、結局時間を奪われてしまっているサービス管理責任者やスタッフの方も多いのではないでしょうか。

そんな「情報のピックアップと手入力の苦労」は、今日で終わりにしましょう!


複合機スキャン機能×AI!「下線を引いた部分」だけを自動抽出

今回ご紹介するのは、事業所にある複合機スキャン機能×AIを活用した、驚きの時短術です。 研修でもらった数十ページに及ぶテキストや、分厚い資料。「ここと、ここだけはスタッフ全員に共有したい!」という重要な部分に、スッと下線を引くことはよくありますよね。

実は、「下線を引いた状態」で大量の紙を複合機でスキャンしてPDFにし、そのままAIに読み込ませることができるのです。

AIにPDFを添付して、次のように指示を出します。

【AIへの入力例】 添付したPDFは、現場スタッフに共有したい資料です。 下線(アンダーライン)を引いた部分の文字だけを正確に読み取り、誤字脱字を修正した上で、分かりやすく箇条書きで抽出してください。

たったこれだけで、AIは数十枚のPDFデータを一瞬で解析し、「下線が引かれた重要な一文」だけを見つけ出して、きれいにまとまった「要点まとめテキスト」を作成してくれます! (※実践上のコツとして、蛍光ペンよりもボールペン等ではっきりと「下線」を引く方が、スキャン時にAIが正確に認識しやすくなります)


大量の紙データも、AIなら一瞬で処理

この技術のすごいところは、「大量の紙」であってもAIが疲れることなく一瞬で処理してくれる点です。

人間が50ページの資料を目で追いながら、下線を引いた部分を探してキーボードで打ち直していたら、それだけで何時間もかかってしまいます。しかしAIを使えば、複合機のスキャン機能でガサッと一括データ化してアップロードするだけ。あとはAIが「抽出・誤字修正・文章の整理」までをすべて自動で行ってくれます。


公認心理師の視点:専門職としての時間を「人」に使うために

福祉の仕事の本来の目的は、パソコンに文字を打ち込んだり、資料をまとめることではありません。

私たちが本当に時間を使わなければならないのは、通所されている方々の表情の変化に気づき、声をかけ、その人らしい生活を一緒に考えていくことです。公認心理師の視点からも、スタッフが事務作業の疲労から解放され、心にゆとりを持って支援に向き合える環境は、そのまま「支援の質の向上」に直結すると確信しています。

「大量の資料から要点をまとめる」という作業はデジタルアシスタントに任せて、私たちは人間にしかできない専門的な関わりにエネルギーを注いでいきましょう。

次回は、年度替わりに頭を悩ませる「あの」問題に切り込みます!「第9回:行政の難解な通知を1分で解読!AIで制度改正(処遇改善など)の要点をつかむ」をお届けします。どうぞお楽しみに!

Hidefumi Kikuchi/CPP

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