第23回:スケジュール管理の自動化。支援に集中するための秘書エージェント

頭がスッキリしたら、次は「時間」を整えよう 

前回の第22回では、毎日の「情報収集」を専属アシスタントAIに任せ、私たちの頭の負担(認知負荷)を減らす方法をお伝えしました。

しかし、頭の中が整理されても、日々の「スケジュール」がぐちゃぐちゃのままでは、結局落ち着いて目の前の支援に向き合うことはできません。

今回からは、エージェントに「時間とタスクの管理」、そして現場を止める「ITトラブルの解決」を任せる実践編です。


現場のリアル:1人1台時代の裏側。パズルゲームのように崩れる1日

かつては事務所の1台のパソコンをスタッフ全員で譲り合っていた現場にも、今や複数のタブレットやPCが当たり前のように並ぶ良い時代になりました。しかしその裏で、管理者やサービス管理責任者(サビ管)が全端末のメンテナンスやIT対応を背負っているケースが少なくありません。

私たちの予定を崩す要因は、大きく分けて2つあります。

  • ヒューマン要因: 利用者さんの急な不調や相談、個別支援計画の急な見直し、ご家族や関係機関からの緊急連絡。さらに、合間を縫うようにかかってくる数々の「営業電話」(無下にはできず、その都度丁寧にお断りするのも意外と神経を使います)や、スタッフの欠勤対応など。

  • システム・事務機器要因: タブレットのネット接続不良、Windowsのちょっとしたエラーやコントロールパネルの設定。さらに、新しく導入した人事労務システムの使い方、そして昔から管理者の時間を奪い続ける永遠の課題「複合機の紙詰まり」など、いわゆる「名もなきIT・事務の詰まり」。

「個別支援計画を作らなきゃいけないのに…」「早くスタッフのパソコンを直してあげなきゃ…」 予定が崩れるたびに、頭の中でスケジュールをパズルゲームのように組み直す作業が、管理者・サビ管の負担を限界まで引き上げているのが現場のリアルです。


【重要】いきなり「連携」しなくてOK!合わなければ「削除」の気軽さで

ここで、「GoogleカレンダーとAIを連携させる」「システムを自動化する」と聞くと、「自分には難しそう…」と身構えてしまう方もいるかもしれません。

どうかご安心ください。最初はカレンダー連携など二の次で全く問題ありません。

一番大切なのは、「秘書AI」と「情報システムAI(サポートデスク)」という新しいチャットを立ち上げ、まずは普通の言葉で相談してみることです。 相手は人間ではないので、気を使う必要はゼロ。

「このAI、的外れだな」「うちの事業所には合わないな」と思ったら、ただそのチャット画面をごみ箱ボタンで削除するだけです。この「ノーリスクの気軽さ」こそが、AIを使いこなす最大のコツです。


2人のAIを使い倒す:予定変更とトラブルシューティングを丸投げ

突発的なトラブルが起きたとき、人間(管理者・サビ管)は目の前の対応に集中し、裏側の思考は2人のAIに任せましょう。

  • 使い方①:「秘書AI」に予定を相談する カレンダー連携が難しければ、普通にチャットで聞くだけで大丈夫です。「予定が1時間押した。今日中に『支援計画の作成』と『スタッフミーティング』と『人事労務(給与計算)』、『送迎車のメンテナンス』をやりたいけど、どういう順番で進めるのが一番効率がいい?」と丸投げします。

  • 使い方②:あらゆる詰まりを解消する「情シスAI」に聞く 新しく導入した人事労務システムやPCソフトでエラーが出たとき、公式のサポート窓口に電話して「ただいま大変混み合っております…」という保留音を延々と待たなくても、情シスAIに聞けば専任オペレーター並みの的確な対応を即座に教えてくれます。もちろん、「複合機で紙詰まりのエラー〇〇が出た」といった物理的なトラブルも、分厚い説明書を引っ張り出す前にAIに聞けば、一瞬で開けるべきカバーの場所がわかります。


【具体例】予定が崩れた日の、AIたちとのやりとりイメージ

実際に現場でトラブルが重なったときの、AIとのやりとりを見てみましょう。


【場面設定】 午後から「個別支援計画の作成」を進める予定だったが、スタッフから「新しく入れた人事労務システムの使い方がわからない」「PCでエラーが出ている」「複合機が紙詰まりした」と立て続けに相談される。その合間にも営業電話が鳴り響き、丁寧にお断りして受話器を置いた直後、息をつく間もなく、利用者さんの緊急の相談対応に入らなければならなくなった。

【管理者・サビ管の動き】 秘書AIに「残りのタスクの再構築」をパッと相談しつつ、情シスAIにエラーの解決手順を出させてスタッフに転送し、自分は次のタスクへ向かう。

🤖 秘書AIの回答イメージ: 「承知いたしました。他スタッフも関わる『スタッフミーティング』と期日のある『給与計算』を本日優先しましょう。集中力が必要な『支援計画の作成』と『送迎車のメンテナンス』は明日の午前中に回してカレンダーを更新します。まずは目の前のご対応に集中してくださいね」

💻 情シスAIの回答イメージ: 「PCのそのエラー画面は、Windowsのアップデートが途中で止まっているサインです。一度再起動をお試しください。また、人事労務システムの権限付与は設定タブの〇〇からです。複合機の紙詰まり(エラー〇〇)は右側面のカバーを開けてください。それぞれの手順画像リンクはこちらです。(※スタッフへ Google Chatでそのまま転送)」

いかがでしょうか。たった数分で、詰まっていた業務が再び動き出します。


「詰まる現場」を「流れるようにする」相棒たち

予定の組み直しや、面倒なトラブル対応をAIに任せる最大のメリットは、単なる時短ではありません。

「あとの予定、どうしよう…」「早くパソコン直さなきゃ…」という焦りや苛立ちを手放し、目の前にいる利用者さんやスタッフに100%心を向けて対話できる(マインドフルネスな状態になれる)ことです。

ちょっとしたことで詰まる現場を、淀みなく流れるようにしてくれる頼もしい相棒の存在。それこそが、管理者・サビ管に「人間らしい温かい支援」をするための心の余裕を与えてくれるのです。


次回予告と今後の展開

「経営コンサルタントAI」「秘書AI」、そして今回の「情シスAI」。私たちの事業所にも、ついに頼もしい専門家チームが揃いました。

では、このAIたちがそれぞれ単独で動くのではなく、「AI同士で勝手に会議をして、最適な答えを出してくれる」としたらどうなるでしょうか?

次回は、AI活用のさらに一歩先の世界へご案内します。 

第24回:複数のAIが会議する?「エージェント・ワークフロー」の衝撃 どうぞお楽しみに!Next➤

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